鎮守の杜の色暦

鎮守の杜の色暦

鎮守の杜の色暦鎮守の杜の色暦、というワークショップがあります。
春の桜枝、夏の藍の生葉、秋のコブナグサ、晩秋の桜紅葉…
ニッケ鎮守の杜という定点を巡る季節の色を追ってみることで、この場所が持つ奥行きが感じられるのではないかと思っています。
鎮守の杜の色暦を、ノートに綴りました。
染める度に、ページが増えていきます。 

≫ 藍の生葉染め タデ科タデ属

鎮守の杜の色暦赤花小千本 + 白花小上粉
手仕事の庭の藍。
毎年、種をつなぎ育み続けているものです。
春の種まきののち、陽を浴び雨を浴び、
日に日に大きくなるにつれ、葉に色を蓄えていくのがわかります。
摘んだ生葉をジュースのように絞って染める。
太陽の下、さわやかな色の布がはためく光景とともに、
ニッケ鎮守の杜の夏はやってきます。

日付  2004
被染物 絹
媒染
日付  2004
被染物 絹
媒染
日付  2007
被染物 絹
媒染
日付  2008
被染物 絹
媒染
日付  2008
被染物 絹
(コブナグサ先染め)
媒染

≫ コブナグサ イネ科コブナグサ属

鎮守の杜の色暦この草は何ですか? 手仕事の庭で、度々いただくご質問です。
コブナグサの種まきをしたのが2006年。
こぼれ種からまた生まれ、毎年豊かに葉を茂らせています。

葉を煮出すと、ほくほくと美味しそうな香り。
やがて現れる黄金色は、秋の光り。

日付 2008/9/13
被染物 絹
媒染  酢酸アルミ
日付 2008/9/13
被染物 絹
媒染  酢酸アルミ
日付 2009/8
被染物 和綿
媒染 みょうばん
日付 2009/8
被染物 絹
(藍生葉後染)
媒染  みょうばん

≫ 桜(蕾) ソメイヨシノ バラ科サクラ属

鎮守の杜の色暦春には庭を花びらで満たし、夏には涼しい木陰を作る。
秋は桜紅葉で庭を彩る桜。
冬、静かな様でも力を蓄え、
ニッケ鎮守の杜では、花芽がふくらんで来た頃の枝を用いて染色をします。
瑞々しくやわらかな桜色は、早春の枝ならではのようです。

日付 2008/2/16
被染物 絹
媒染  酢酸アルミ
日付 2009/1/31
被染物 絹
媒染  みょうばん
日付 2009/2/28
被染物 木綿
媒染  みょうばん
日付 2009/12/18
被染物 和綿
媒染  みょうばん
日付 2009/12/18
被染物 リネン糸
媒染  みょうばん

≫ 桜(青葉) ソメイヨシノ バラ科サクラ属

鎮守の杜の色暦ある春教えて戴いた、「桜は夏の青葉でも赤く染まる」という話。
しかし、夏は剪定の時期でもなく、当然、青葉は木から落ちて来ません。
日ざしも強くなって来た頃、
目立ってきた桜のひこばえを切ろうと取りかかると、
そのまさに青葉が手の中にありました。
庭仕事からそのまま染め仕事へ。
葉を煮出してみると、これまで染めたことのある桜の部分の中で
一番甘い香りと、力強い色が出てきました。

日付 2009/5
被染物 絹
媒染  みょうばん
日付 2009/5
被染物 絹
オーガンジー
媒染  みょうばん
日付 2009/5
被染物 木綿
媒染  みょうばん

≫ 桜(紅葉) ソメイヨシノ バラ科サクラ属

鎮守の杜の色暦赤、黄、橙。
晩秋、鎮守の杜をぐるりと囲む桜の木は、
静かな冬に入る前の鮮やかなひととき。
やがてひらり、ひらりと落としはじめた桜紅葉を集めて染めた、
コクのあるその色には、
赤、黄、橙、葉の一枚一枚の色が確かにひそんでいるようです。

日付 2008/11
被染物 絹
媒染  酢酸アルミ

≫シラカシ ブナ科コナラ属

鎮守の杜の色暦galleryらふとのシンボルツリーのひとつ、実生の白樫。
黄緑色の長細い葉は上品で、ウッドデッキに降り注ぐ木漏れ日も
美しいものです。
いつしか、らふとを見下ろすまでの高さになり、
ずいぶんと葉も茂るようになりました。
風通しがよくなる様、年に一度、枝葉を剪定します。
造園屋さんが鋏をいれたばかりの枝葉を、
その場で煮出して染めました。

日付 2009/8
被染物 絹
媒染  みょうばん
日付 2009/8
被染物 絹
媒染  鉄